茜

鳥の茜のレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.0
以前ヒッチコックのサイコを鑑賞して想像以上に面白かったので、
今回は動物パニック映画の先駆けと言われているこちらを観てみました。

結局のところ最後の最後まで鳥が人間を襲う理由は明らかにならないので、
観終わった後はモヤモヤした感情が残りますが、そこがまた想像力を掻き立てられて面白い。

この映画ほど大きな事件ではなくても、日常には思いがけない恐怖や不幸っていっぱい転がっていて、
いつそれらに自分がぶつかるか分からないっていう、誰しもが抱える不安感を駆り立てられるような映画。
理由が分からないからこそ人は恐怖をおぼえる訳で、映画の登場人物だけでなく受け手にもそれを感じさせるとは、流石サスペンスの巨匠…。

鳥の羽音が迫ってくる感覚や、鳥の大群に囲まれ襲われる時の迫力、古い映画なのにとてもリアルで怖かったです。
田舎に住んでいるので、集団で群れるカラスなんてしょっしゅう見かけるんですが、今度からそれを見る度にこの映画を思い出しそう…。
茜