梅宮辰夫主演の大映のフィルムノワール「夜の青春」シリーズの第四作目です。

梅宮辰夫の出世作は1968年からの「不良番長」シリーズですが、その前哨戦的な位置づけ。同じ大映ヤクザ映画でも鶴田浩二や高倉健とは違って女泣かせな位置づけ。男を泣かせる鶴田、女を泣かせる梅宮。

この「夜の青春」シリーズで梅宮辰夫は「女たらしのろくでなし」で緑魔子が梅宮辰夫に引っかかって身を亡ぼすのが定番のパターンで、今回もヒドい目にあいます。しかし、今回は梅宮辰夫以外の男もヒドくて、ある意味メッセージ性は強くなっているのかも。男は悪い奴ばっかり！

今回の緑魔子は気の毒すぎる。とても天真爛漫な明るい娘なのですが、その無垢な部分を悪い男どもが食い物にする。梅宮辰夫もそれなりの制裁は受けるんだけど、あまいだろ！

今回も大原麗子が準ヒロイン役。若いころの大原麗子は本当にかわいくて美人。

ラピュタ阿佐ヶ谷東映大泉特集にて。

緑魔子見たさに出向いたら人がイッパイ。これ、役者時代の蜷川幸雄が出てるのな。大原麗子扮する女給にかもられて逆ギレする役。大演出家の大根芝居ぶりにびっくり。銀座を捉える手持ちモノクロの映像はヌーベルバーグ風。
女に全く感傷をもたず、ひたすら「かもる」事だけに生きる梅宮辰夫が最高にクール。ちょっとベルモンドっぽい仕草もあり意識してる？　緑魔子は所在無げに歩く様がほんとに画になる人。まだおぼこい大原麗子も最後はすっかり夜の女の倦怠を身に纏い魅力的に。タイトル、テーマとは裏腹に関川秀雄／成沢昌成の女性映画への眼差しと前衛がうまく合わさった佳編。

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夜の青春シリーズ4作目。前作に足りなかったのはオープニングの梅宮辰夫のシャープなナレーションか。かもねぎ。キャバレーの引き抜き屋に扮する。緑魔子が戻ってきて雰囲気や見知らぬ男について行って、というシーンは1作目と同じ感じ。前3作に比べるとラストの堕ちっぷりに物足りなさを感じた。大原麗子の存在が大きくなっていて緑魔子とWヒロインのようになっていた。

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