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大怪獣決闘 ガメラ対バルゴンのHKのレビュー・感想・評価

3.5
1作目の予想外の大ヒットを受け、半年後に急遽公開された第2作目です。
予算も大幅アップしてモノクロ・スタンダードからカラー・シネスコ作品となり、これでようやくゴジラ・シリーズと互角に張り合えるようになったと言えましょうか。
しかも公開時は『大魔神』と2本立てだったとか。なんと豪華な。
CSでやってたので久しぶりに鑑賞。例によってほぼ忘れてましたが。

1作目で宇宙に追放するためガメラを乗せて打ち上げたロケットが隕石とぶつかり、ガメラが地球に舞い戻ってきます。
この展開は『スーパーマン2』の冒頭でゾッド将軍が地球に現れる展開に似ていますね。

監督は田中重雄で、1作目の湯浅憲明は特撮監督として参加。
本作は昭和ガメラシリーズで唯一子供が登場しない作品で欲に眼がくらんだ大人のドラマとして終始一貫。
これが不満だった湯浅憲明は次回作『ガメラ対ギャオス』からは全編監督として完全に子供路線に変更したそうです。
本作ではさすがにまだ“ガメラ・マーチ♪”は鳴らないなと思って観ていましたが、あのマーチが使われたのは4作目の『ガメラ対バイラス』からだそうです。

したがって子供向けでない昭和ガメラ作品として異色の存在ですが私はけっこう好きです。
主演は4作目まで主役を務める本郷功次郎(当時28歳)ですが、序盤は悪人設定なのも珍しく、ニューギニアの現地人役のキレイな江波杏子(当時24歳)とのメロドラマ要素も。
出演は博士役常連の北原義郎の他、藤岡琢也が出ていたのが意外。
雨や夜など暗いシーンが多いのも特徴です。

バルゴンはトカゲのようなニューギニアの伝説の怪物で、四つ足どうしのガメラとバルゴンの対峙も面白い構図。
バルゴンの造形はガメラの際は断られたという初期ウルトラ・シリーズの高山良策。
たしかガメラの血が緑色でギャオスは青色(逆?)でしたが、バルゴンの血は鮮やかな紫でした。
HK

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