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デッドゾーンのいののレビュー・感想・評価

デッドゾーン(1983年製作の映画)
4.2
〝良質な映画〟という言葉がデヴィッド・クローネンバーグにとって褒め言葉になるのかどうか、私には自信がないけれど、観終わって最初に思ったのは良質な映画だなってことだった。でも本当は良質ではないのかもしれないし、主人公の行動の是非については議論があるのかも。だけど映画としてとても良い展開、とても良い終わり方だと思う。スティーヴン・キングの原作は読んだことがありません。


クリストファー・ウォーケンの若い頃を目撃するのは初めてで、なんだかとても新鮮だった。学校の先生役だなんてw。不遇な出来事にみまわれて苦しい境遇にあるのにもかかわらず、何度もみせるその笑顔に、油断するとうっかりキュンってなってしまいそうになったった。映画というものはどこに落とし穴があるのかわかりませんね。人類にとって最悪の事態にならないよう未然に防ぐ、それを自分がやろうという、本人にとっては善く生きるという話でもあり、なんかオラびっくりしたったぞ。


靄に包まれた夜道を車がこちらに向かってくる映像の格好良さに唸り(0:07:34)(それはここから何かが始まるぞという意)、細長いトンネルの黒光りにも感嘆し(0:43:45)(ここから事件が真相解明に向かうの意)、両側の木々の間から細長い道路をこちらに向かってくるバスの光景も胸に迫ってきて(1:32:04)(頼まれごとではなくて彼が自分から在る出来事を未然に防ごうとする決意)、なんかそういう風景を妙にリアルに感じた次第。歩くときには杖が必要だったのに、ライフル銃というのでしょうか、その長い銃を手にしたら杖は不要になる。ちなみに記した時間は自分用のメモです。このレビュー書くためにあとから確認しました。中盤の事件についても、あーだこーだ、犯人の深層心理とかそういったことをうだうだやらないのも潔くて好き。コブラさん、この映画のこと教えてくださってありがとうございました。この映画がクローネンバーグ監督作品だとは、言われなければ全く気づかなかったということも正直に記したいと思います。何作みたって全く詳しくはなれないし、クローネンバーグ世界の住人になりたいとは思わないけど挫けずがんばる
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