ryosuke

罠のryosukeのレビュー・感想・評価

(1949年製作の映画)
3.9
映画内の時間と上映時間を同一にするというアイデアはやはり面白い。ただ、やっぱり時間を省略、圧縮することで世界を現実より劇的、効果的に見せるのが映画だよなという気もするんだよな。省略ができない以上、試合が終了するまでは同じような描写が多めで、一定程度の単調さは否めない。といってもこの形式を取ったうえでこのダレなさは凄いのだろうし、水準が高いことは間違いない。試合がクライマックスに近づくにつれてよりカメラが寄っていくことで変化はつけていく。
かなり陰影のくっきりとしたコントラストの強い画が魅力的。特に夜道や試合終了後の会場の描写など印象的だった。
序盤にこれからの希望を語っていたロバート・ライアンを思うと救いがないな。冒頭と同じ魅力的な長回しに回帰して綺麗に締める。
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