ねこ無双

星守る犬のねこ無双のレビュー・感想・評価

星守る犬(2011年製作の映画)
4.0
山中で発見された車には4、50代と思われる男性と犬の二つの遺体。
調査を担当した市役所職員はわずかな手がかりから、おじさんの足跡を辿り始める。その職員の青年には過去飼っていた犬への後悔の念があり、それは自らの過去を辿る旅でもあったのだ。

星守る犬とは、絶対手に入らない星を眺める犬のこと。
道中の自然や風景にいるおじさんと犬の光景はとても素晴らしくて。
あんな風に動物と共に景色が観れたら最高だろうな。

ハッピーもクロも名演すぎて、犬の場面では号泣してしまった。
特にクロのあの場面はいつか起こるかもしれない…動物と暮らす者にとって泣かずにいられましょうか。
とにかくおっきくなったから可愛くない、って言ったあの娘の口は掴んでひん曲げてやりたい。

おじさんの生き方や旅先で巡り合う人たち…いい面も悪い面もあって多面的、ちょっと知っただけで簡単にいい人悪い人とは図れないのではないか。
(あの娘の口ひん曲げてやりたいとは書いた後ですが…)
ただもっと違う生き方を選べなかったのかって悔いをおじさんには感じるけど…。

飼われてる動物はどうしたって飼い主と人生を寄り添わざるを得ないし、
おじさんの元をどうしても離れたくなかったハッピーに対してどうするのが幸せだったかなんて簡単には言えない。
でもやっぱり違う道もあったのじゃないかと。映画ではその選択に葛藤を感じる場面も多々あり…。

このあと原作漫画も読みました!原作漫画の方が受け入れやすい話になっていると思う。なぜおじさんは旅を選んだのか、なぜ行きつかざるを得なかったのか…。

おじさんと犬にフォーカスが向いた話だけど、そのほかの登場人物たちの人生も図れるように描写され、とても感情を揺り動かされる映画でした。