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ゼイリブの小のレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
4.1
製作30周年記念HDリマスター版を鑑賞。SFスリラーの形式をとった資本主義社会風刺映画。見た目はB級、でも知って納得。秘められた内容はA級ではないかと。

「ヤッピー(都市の若いエリートサラリーマン)と暴走する資本主義の話」(ジョン・カーペンター監督)で、1988年当時のレーガン政権に対する批判だけど、困ったことに風刺の内容は全く古びてないどころか、今、さらに、ふさわしくなっている気がする。

「OBEY」が象徴する権力者の思惑、「従え」「眠っていろ」「逆らうな」。権力者にとって一番都合のいい状況、即ち本作が示した、大衆が諦め、無関心になることで起こることへの強い懸念は現実となってしまった。それを示した映画が『華氏 119』。

人々は何故サングラスをかけないと侵略者が見えないのか、あるバトルシーンは何故6分間もかけたのか。言われてみれば納得で、確かに深い意味にもとれるよね、とちょっと唸ってしまった。
(https://cinemarche.net/sf/theylive/)

本作を曲解し、反ユダヤ主義のプロパガンダとして用いる人がいるらしいけれど、ゼイリブのサングラス、今まさにマジで必要かも。

●物語(50%×4.0):2.00
・観終わった直後は風刺は効いているけど…くらいの印象だったけれど、いろいろ知ったら、これって今まさにな映画じゃん、と。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・意味を知ると違って見える。知識はゼイリブのサングラスってことかも。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・なかなか。
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