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機械じかけの小児病棟のhorahukiのレビュー・感想・評価

機械じかけの小児病棟(2005年製作の映画)
3.4
7月13日公開の『インサイド』(『屋敷女』リメイク)に向けて♫

またまた『インサイド』脚本のジャウマバラゲロ監督作です。邦題のせいでクソ映画臭ぷんぷんですが、監督らしく手堅く作られた病院ホラーでした。

あらすじ…
閉院が決まっている古びた病院でしばらくの間夜勤の看護師として勤めることになった主人公。そこには転院を待つ子どもたちが小児科に数名入院していた。その病院のエレベーターはなぜか二階には止まらない。50年以上前から二階は封鎖されてるようで長らく使われていない様子。そんな中、勤務初日の夜に尋常ではなく大きな物音がして騒動になる。そして、入院患者の少女マギーは幽霊の存在を主人公に訴える。封鎖された二階との関係は?幽霊の目的は?という話。

本作は、過去に自分のミスで患者を死なせてしまった主人公と、幽霊が見えるけど誰にも信じてもらえず孤立してる少女という心に負担を抱えた者同士の交流をメインに描いた作品。

ホラー映画なので恐怖描写はそれなりにありますが、ガチで怖がらせる意図をもったものというよりも、本作は主人公が過去のトラウマを乗り越えるための障害として幽霊を利用しているため、形式的に恐怖描写を入れてるイメージ。

なので恐怖感を丁寧に醸成するようなものはほとんどなく、基本的に音に頼ったあっさりなビックリ箱演出がほとんど。ただ幽霊のビジュアルがエグいんすよね…。「機械じかけ」というタイトルは完全に幽霊の外見的特徴から来てるのですが、もう生理的嫌悪感しか抱かないという、ある意味素晴らしい外見。どこか某作品の屋根裏のあの人に近いものがありますね。

そんで、その幽霊の攻撃が地味だけど痛い…。足の骨を折るのが大好きなようで、何もないところでいきなり男の子の足の骨をポキリとやっちゃいます。当然男の子は泣き叫ぶわけですが、医師が駆けつけてレントゲン撮影をしてる最中にまたまたポキリ。男の子かわいそう(^_^;)骨折したことないけどアレは絶対痛いわ…。

ただ、主人公の再生物語としては描写が弱く感じるし、ラストも少し疑問。クライマックスはド派手な展開で盛り上がりとしては申し分ないんですけど、幽霊の動機含めてちょっと力業で強引にもっていった感がありました。とはいえ普通に面白いし、ちょびっと感動もできる良い作品でした。ジャウマ監督の作品は安定して面白いですね。『インサイド』では脚本と製作なので監督は別の人ですが、この安定感を期待してます♫
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