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デスプルーフ in グラインドハウスのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.9
【監督クエンティン・タランティーノ】
第5回監督作品
◆ジャンル:  
 カーアクション、バイオレンス・ホラー
◆タランティーノ肩書:
 監督・脚本・製作・撮影

〈見処〉
①グラウンド・ハウスとは?
・『デス・プルーフ in グラインドハウス』は、2007年に公開された、タランティーノ監督第五作。
・本作は、ロバート・ロドリゲス監督による『プラネット・テラー』と2本立て上映された『グラインドハウス』の1編「デス・プルーフ」に、2本立て公開時にカットされたシーンを加えて、1本の作品としたもの。
・「グラインドハウス」とは、B級映画を2~3本作立てで上映していたアメリカの映画館を差す。二本立て『グラインドハウス』では、当時の上映作品の雰囲気を再現するため、実際に存在しないフェイク予告5編を途中挿入したが、好評だったため、後にジェイソン・アイズナー監督の『ホーボー・ウィズ・ショットガン』とロバート・ロドリゲス監督『マチェーテ』が長編作品として製作された。
・本作も「グラインドハウス」の雰囲気に合わせるため、画像ノイズや音割れを、フェイク再現。
・本作では『ジャッキ-ブラウン』や『キル・ビル では控え目であった「延々と続く無駄話」が、ガールズ・トークとして復活、上映時間の約半分を割いている。
・全く意味をなさない下品なストーリー、『キル・ビル』のスタント・ウーマン、ゾーイ・ベルを本人役として主演女優に配置するなど、本作がタランティーノ作品史上、最大のB級テイストである理由は「グラインドハウス」にある。

②カートラッセル「No.1クズキャラ」
・『デス・プルーフ』は、カート・ラッセルが演じる「スタントマン・マイク」が、カースタント用途に乗車する「耐死仕様」のアメリカ車を差す。
・スタントマン・マイクは「デス・プルーフ」に乗車すると、おぞましい殺人鬼に豹変。バーで知り合った女性たちは、無惨な死を遂げることになる…
・反面、ゾーイ・ベルたちの逆襲を受けると、余裕ぶっていた態度が豹変。小物感たっぷりに狼狽する、史上稀にみる「クズキャラ」である。

③史上No.1「胸スカ映画」
・スタントマン・マイクによる、テキサス州オースティンの女性大量殺害の14ヶ月後のテネシー州レバノン。
・映画業界で働く3人の女性は、仕事仲間のゾーイ・ベルと合流し、ゾーイの希望で、レバノンで売りに出ている1970年型ダッジに試乗するが、ここでスタントマン・マイクがカーチェイスで絡んでくる。
・何とか危機を脱した女性たちに、マイクは機嫌良く別れを告げるが、スタントウーマンを本職とするゾーイは、やられっぱなしになるような甘い女ではなかった…
・「No.1クズキャラ」スタントマン・マイクに対する追撃のカーチェイス。マイクは反対に追い詰められ、彼女たちに許しを請うものの、ゾーイたちに半殺しにされる。
・回し蹴り~かかと落としによるラストの成敗シーンをもって、史上No.1「胸スカ映画」に認定したい。
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