ぼのご

トレーニング デイのぼのごのネタバレレビュー・内容・結末

トレーニング デイ(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

犯罪紛いの捜査をしたり相棒の新米刑事に半強制的に麻薬を吸わせたり、デンゼル・ワシントンの悪徳刑事っぷりに震える。『孤狼の血』の日岡と大上の関係を連想した。
「狼に勝てるのは狼だけ。羊を守るためには自分も狼にならなければ」
という台詞から、善良な市民の為に悪事に手を染めている事情が窺える。というか、窺えた、と思ったんだけど…! その後の展開に唖然としちゃった。ただ悪徳刑事も昔は本当に正義に燃えていたんだろうなという部分があったり、悪を取り締まる行為も一応していて、二項対立では表せない人間の曖昧さを感じたし深みにもなっていた。
散々な振る舞いをしながらも新米刑事イーサン・ホークの手柄を嬉しそうに褒めたり、飴と鞭の使い分けもえげつない。あれは取り込まれそうになっちゃうなぁ。

一つひとつの何気ない会話や場面がその後の展開に繋がっていて目が離せない。最初の方少しボーッとしながら観ていたのもあって、油断していると置いてかれそうだった。緊迫感ありました。
新米刑事はオドオドしているところもあって頼りなげ。でも途轍も無く芯が通っていて、自分の中に正義があった。ラストは必ずしも清々しい後味とは言えないけど、終盤で正しい行いによって報われる瞬間はこっちまで報われた気分。またその直前のやり取りにハラハラした。

カタツムリのジョークは意味がありそう。玄関先に居たかたつむりを男が拾い上げて投げ捨てたら、カタツムリは石にぶつかって殻が砕け、一年かけてまた玄関先に戻ってきた。男はカタツムリを見て「ふざけるな!」と言った。
というような話で、映画の内容的にいくつか思う節もあるんだけど、結局何を表しているのかよくわからなかった。
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