美男子達の同性愛が主軸にあるミステリー。舞台のような簡素かつ前衛的な美術と、映像表現としての構図と色彩の操作、俳優陣のしなやか肉体美が合わさって、かなりアーティスティックな仕上がり。映像として綺麗だった。三池崇史ってこういう耽美主義的な芸術映画も撮るんや、と驚いた。
ただ、演者の音声が伴わない字幕の多用や、徹底的に演出された刑務所内の美術とロケで撮られたそのままの娑婆の世界の対比が、表現としてどのような効果があったのかは良くわからなかったし、ストーリー展開としても盛り上がりに欠けるので、映画として面白いとは思えなかった。