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キャット・ピープルのRのレビュー・感想・評価

キャット・ピープル(1942年製作の映画)
4.5
面白いですねー。セルビアの小さな村からアメリカに移住した女が主人公で、自分が猫族の血を引いていて、性欲や嫉妬を感ずると猫に豹変してしまうと信じ込んでいて、そんな女だけどその美貌に恋して結婚する男が主人公なのであります。が、当然エッチさしてくれませんからたまるもんたまります。だから、妻を精神科医に通わせると、その医師も女に魅了され、欲望を感じ、アタックしはじめる。けど当然病気は治せない。その一方で旦那は、会社で常に一緒に過ごしてきた同僚の女に、私はあなたを愛してたのよ!と激白され、心ぐらりグラグラ。と、どんどん猫族の血が騒ぐ状況に追い込まれていく美女を演じるシモーヌシモンの蠱惑的なルックスがカッコいい! 猫娘設定にピッタリ! で、とても面白いのが、この美女がホントに猫娘なのか、キチガイなのかが、最後の最後まで非常に曖昧に描いてある点。全体的にそこはかとなく漂うエロティシズムとミステリアスなムードがたまらんねんけど、鮮やかに印象に残ったのは、謎の猫面女が結婚パーティーに現るシーンの異様な雰囲気と、旦那の同僚を尾けてプールに到るシーン。徐々に、悪夢のように、不安を煽る素晴らしいカット割り。ほんで、最後は何とも言えぬ女の哀しみを切々と誘うのですが、同時に、おい! 旦那! あんた軽々しく乗り換えすぎじゃね?っていう、男らしい間抜けな尻軽さに笑ってしまいもした。なるほど、カルト的人気があるのも深く納得できる、魅惑に満ちた作品だった。
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