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BUG/バグのHKのレビュー・感想・評価

BUG/バグ(2007年製作の映画)
3.0
ウィリアム・フリードキン監督の訃報(享年87歳)を聞き、未見の同監督作をセレクト。
これまでに観たフリードキン作品は月並みですが『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』『恐怖の報酬』、他にはP・フォークの『ブリンクス』や、主役退場がビックリの『LA大捜査線』、TV版リメイクのJ・レモンやG・C・スコットの『12人の怒れる男』あたり。

本作はかなり後期の作品で、U-NEXTでみつけて初めて存在を知りました。
モーテル暮らしの中年女性がある男と暮らし始めますが、部屋の中の謎の虫(バグ)に悩まされることに・・・
いろいろと問題ありの孤独な男女が惹かれ合うも、徐々に常軌を逸した妄想まで共有するようになり、破滅に向かう姿が描かれます。

本作は脚本も担当したトレイシー・レッツの同名の舞台劇の映画化。
登場人物は主役の男女二人(アシュレイ・ジャッド、マイケル・シャノン)がほぼ出ずっぱりで他はごく数名。

この二人、私が映画と疎遠だった頃に目立ち始め、実は主演作はあまり観ていません。
シャノンは舞台でも同じ役だったそうで鬼気迫る演技。
シャノンから妄想が感染するジャッドも体当たりでそれに応え、二人の全裸シーンもあって頑張ってますが・・・
どちらのキャラにも全く感情移入できず、予想以上の展開にもならないため、私にはちょっと退屈でした。

その年のカンヌでは国際映画批評家連盟賞を獲っているようですが、役者も地味だし、内容もとても一般受けしそうもないことから、この知名度の低さも納得。
かなり観る人を選ぶ作品でしょうが、フリードキンと原作・脚本のレッツは気が合ったのか次回作の『キラー・スナイパー』(未見)でも組んでいます。
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