円柱野郎

ビルマVJ 消された革命の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ビルマVJ 消された革命(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2007年に起きたビルマ(ミャンマー)での民主化要求デモの現場を、軍当局の目を掻い潜って隠しカメラで撮影し続けたビデオジャーナリスト(VJ)たち。その映像を再構成したドキュメンタリー映画。
再構成にあたってジョシュアというジャーナリストを中心に話が進んでいくのだけど、おそらくその部分は物語性を出すための創作と思われる。名前を出せないVJの誰かをモデルにしているのかもしれない。でもその演出部分を差し引いても、現場の生の映像という力強さは本物で、次第に高まるデモの熱気、そして当局の実力行使による弾圧の様は実に生々しい。
この映画が訴えかけるのは、軍事政権の続くビルマ(ミャンマー)の現状と共に、身の危険に晒されながら現場の姿を撮り続けるVJ達の闘う意味でもある。その点ではよく構成されているのではないだろうか。ただし、きわめて主観的(映像の性質上、当事者目線にしかならないのだが)なので、その点では一方的に弾圧される側の目線でしか見られない。もちろん、実情としてかの国は現在も軍政であり、民主化勢力に対しての弾圧があるのは事実だろうけどね。
劇中ではジャーナリスト・長井健司氏が銃撃され亡くなるシーンもあり日本人としても複雑な心境になります。
円柱野郎

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