YYamada

ブロークバック・マウンテンのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.7
なぜ?【アカデミー未受賞の大傑作】
第78回 (2005) アカデミー作品ノミネート
◆同年のアカデミー作品賞作品
『クラッシュ』

〈見処〉
①時代に早すぎた、純愛ストーリー
・1963年夏のワイオミング州ブロークバック・マウンテン。羊の放牧を行う季節労働者の若手男子2人のカウボーイが友情の果てに一線を超えてしまう関係に。以後、20年に渡る2人の人生の悲哀を、雄大な風景に重ねて描くフィクション。
・物語は極めて「純愛」を表現。2人の関係がまどろっこしく一向に距離が縮まらないのは1960年代ではタブーである同性愛者であるから。
・本作は、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子(最高作品)賞を受賞。ゴールデングローブ賞でも、作品賞、監督賞、脚本賞、主題歌賞の4部門を受賞し、ショーレースのトップを走っていたが、アカデミー賞では監督賞、脚色賞、作曲賞の3部門に留まった。

②身体を張った熱演
・LGBTを演じるヒース・レジャー、ジェイク・ジレンホールに加え、其々の結婚相手を演じたミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイの有望俳優それぞれがヌードを辞さない身体を張った演技を見せている。

③なぜ、作品賞をとれなかったか?
・作中でも、二人の関係は「時代よりも早かった」が、2006年のアカデミー選考においても同様だ。
・監督賞、脚本賞を制して、作品賞を受賞出来ない理由は他になく、かつ、戴冠作が低評価作『クラッシュ』であることが偲ばれない。
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