マサキシンペイ

マッドマックスのマサキシンペイのレビュー・感想・評価

マッドマックス(1979年製作の映画)
2.9
初代マッドマックス。「怒りのデスロード」からマッドマックスのファンになった身からすれば、衣装は普通のライダース・ファッション、車もさほど驚く程でもない改造車での、カーチェイス映画なので、地味な印象は拭えない。

ただ、マックスのキャラクター描写で言えば、見るべきものは多い。

正義に燃える警察官だったマックスが、暴走車をカーチェイスの末に事故へと追いやり暴走族の恨みを買い、仕事のパートナーや家族を殺されたことをきっかけに、冷酷な復讐の鬼へと変貌していくストーリー。マックスの「マッド」という点では今作がシリーズ中最も描けている。

まぁ、あくまでジャンク感のあるB級映画なので高が知れているが、真面目でタフな妻と幼い息子を愛する好青年と、血も涙もない復讐の鬼という、二面性のあるキャラクターとメル・ギブソンの雰囲気が合っていた。

復讐劇と言えば、悪役を倒していくカタルシスに魅力の重点を置きがちであるが、復讐を経ても愛する者を奪われた痛みには何も変化がないという絶望を感じさせるラストは、シリーズを通したマックスというキャラクターの核となっている。

余談だが、「怒りのデスロード」が公開された数ヶ月後、PS4においてシリーズ1~4、それぞれのエッセンスを踏襲した、なかなか出来の良いゲームが発売されたのだが、1のドラマを理解していることで、そのゲームのストーリーの重みが格段に変わる。逆にも同時に、ゲームをプレイすれば、1の評価が上がるはずだ。マッドマックスのファンであるならば是非プレイして頂きたい。
マサキシンペイ

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