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吸血鬼ドラキュラのHKのレビュー・感想・評価

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)
3.5
ユニバーサルの『魔人ドラキュラ』(1931)を観たら、ハマープロの『吸血鬼ドラキュラ』(1958)も観たくなって久々の鑑賞。
『魔人~』の27年後にカラーでリメイクされたのが本作。
本作のドラキュラ伯爵はクリストファー・リー、宿敵のヴァン・ヘルシング教授はピーター・カッシングのゴールデン・コンビ(前年の『フランケンシュタインの逆襲』に次いで共演)。

後にこの2人、カッシングが『スターウォーズ』エピソード4でモフ・ターキン総督、続いてリーがエピソード2・3でドゥークー伯爵として出演。共演じゃないのが残念ですが。

モノクロの『魔人~』と違って今回はカラーですから真っ赤な血も流れるし、ドラキュラの眼も真っ赤に血走ってます。
牙もあるし、リーのドラキュラはルゴシに比べて細身で長身のイメージ。
リーのドラキュラは子どもの頃からTVで何作も観ているので、私にとってドラキュラといえばまずこの人。

胸に杭を打たれて老婆になる女吸血鬼、十字架を押し付けられるとジュッと火傷、太陽の光で体が煙とともに肉体が崩れ出し灰になるという吸血鬼の描写は全てこの映画から始まっています(派手に燃え出すのはずいぶん後の作品から)。
本作ではドラキュラの3人の妻たちは登場せず、代表が一人いるだけ。

本作では最初にドラキュラ城を訪れるのが原作通り弁護士のジョナサン・ハーカー(『魔人~』ではレンフィールド)ですが、その代わりドラキュラの下僕となるレンフィールドは登場せず、ヒロイン兼犠牲者のミナやルーシーらのポジションも微妙に違います。

ゴシック・ホラーの雰囲気はそのままにアクション要素も加わりテンポよいストーリー。
監督はドラキュラやフランケンシュタインものを沢山撮ってるテレンス・フィッシャー。
原題は『魔人~』と同じく“Dracula”ですが、米タイトルは“Horror of Dracula”。

“ドラキュラ”のキャラ借用しただけではなく、ブラム・ストーカーの原作を映画化した作品としては他にジョン・バダムの『ドラキュラ』(1979)、ヘルツォークの『ノスフェラトゥ』(1979)、コッポラの『ドラキュラ』(1992)は観ましたが、他にもクリストファー・リーがドラキュラ役でもハマープロ作品じゃない『吸血のデアボリカ』(1970)や『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(2012)という3D作品もあるようで・・・あ、アルジェント版をアマプラで発見。この機に観てみるかな・・・。
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