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チェンジリングのhorahukiのレビュー・感想・評価

チェンジリング(1979年製作の映画)
4.2
不慮の事故で妻と子供を亡くした音楽家兼大学教授の主人公ジョン。心機一転、1人新しい生活を始めようととある古いお屋敷を借ります。そのお屋敷で暮らしていると、連日、不可解な音や奇妙な現象が。その原因はいったい何なのか。お屋敷の管理会社勤務の女性と2人でその真相を追う話。

クリントイーストウッドじゃない方の『チェンジリング』です。ホラーのオールタイムベストランキングでよく見るので気になってたんですけど、なかなか置いてなくて。でも『処刑軍団ザップ』と同じTSUTAYAにあったので、迷わず一緒にレンタルしました(*^^*)

さすがに有名なだけあって面白い!傑作と言っても良いんじゃないでしょうか。幽霊屋敷ものなんですけど、霊は主人公を怖がらせようとか、呪い殺そうとか、狂わせてやろうとかは全く思ってないんですよね。ただ、自分の無念を訴えてくる。なので、あからさまに脅かすような演出は控えめ。霊を全くと言っていいほど見せず、音やさりげない違和感を積み重ねて不安感や恐怖心を植え付ける手法はお見事。ここら辺は『たたり』と似てますね。

そして恐怖演出一つ一つに意味があって、それをヒントに、主人公が霊の訴えようとしてることを探っていくというミステリー調の展開になってて飽きさせません。次第に明らかにされていく真相、そして主人公の境遇も合わさり、怖さよりも物悲しさが作品全体から漂ってきます。主人公と霊の関係性も良いですね。そして、あのラストシーンも不気味ながらも美しさすら感じました。

ただ、ジョンを主人公と捉えると肩透かしをくらうかもしれません。大事なことが放置されたまま終わっちゃいますからね。でも、霊が主人公というか、これは霊の物語だと考えるとすごくしっくり来るんですよね。本当に幽霊屋敷もののお手本のような映画。Blu-ray購入決定です!
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