このレビューはネタバレを含みます
「月とキャベツ」とおなじく、ラストのソラニンのシーンが観たいが為だけにレンタルしました。
たったの5分間だけだし、それまでの平平とした1時間50分のあらゆるシーンは、そのラストの5分を引き立てるためのものだったんだろうと思わざるを得ないくらい、くっきりとした輪郭として捉えてるように思います。
何度目かの視聴。
自分がやりたいことをやるって事と、その目の前に突きつけられる現実。「死ぬのを恐れて生きることができない」と誰かが思い出で歌ったように、前に進むことを恐れて後ろを振り向く事も出来ずにいる。理想を鏡の中の誰かに重ねるけど、言葉を発せば自分に跳ね返ってくるだけで、自問自答のスパイラルから抜け出せない。
ソラニンの全体の構図はこんなとこだと思います。
この感じ、まったく解らないってわけじゃないんです。選択肢が多い少ないは置いておいても、自分自身もそうやって人生を選んできたつもりで、退屈な人生なんて!って思っていたし、それだけを心の原動力として生きてきたかもしれません。
主人公の種田は芽衣子さんに「お茶くんだり顧客管理するために生まれてきた訳じゃ絶対ないじゃんか。何の興味もない仕事でいいの?そんな未来が予想できる生活なんてつまんなくないすか?」って言うのだけど、ぼくはお茶くんで顧客管理して、何の興味もない仕事でもそんな未来が予想できる生活ででも、やるんだって決めてやってる人は素敵だと思う。迷って悩みながらもやってる人を尊敬する。もう駄目だ無理だって投げだして逃げだしちゃったとしても、全然その人を否定する事にはならないと思う。
じゃあそれが誰かが言う「つまんない生活」と仮にしたとして。
そこを自分の足で切り拓いて行ってる人ってむちゃくちゃ強くないですか?闘ってる背中は堅く逞しくないですか?
そういった意味ではぼくは井浦新が演じた冴木寄りなのかもしれないです。それに、、どんな事言ったって、死ぬなよ死んじゃ駄目だよって思います。それはどんな未来よりつまんないよ種田。
そんなふうに思います。
や、まーでも!
全部がラストの5分間のためのものならなんだっていっかっ(๑´ㅂ`๑)