東京キネマ

フューリーの東京キネマのレビュー・感想・評価

フューリー(1978年製作の映画)
3.5
パワフルで強烈な映画だとは思うのですが、ドラマとしては欠陥品です。 そもそもギリアン(エイミー・アーヴィング)とロビン(アンドリュー・スティーヴンス)の関係性が良く分かりません。 というのも、ギリアンのサイキック・パワーがてんこ盛りで、霊視能力(つまり未来)も霊的触覚能力(つまり過去)も装備しているので、どこの時間軸で繋がっているかが分からないからなんですよ。 だから、これは男女の愛なのか、同類の憐憫なのかも分からずで、気持ちが同化できないのです。

それにお話が冗長でテンポが悪い。たぶん脚本の問題だとは思うのですが、音楽がバーナード・ハーマンからジョン・ウィリアムスに代わったことで、例のヒッチコック・スタイルの外連味もなくなり、なんか変にロマンチックになっちゃったせいかも知れません。 ギリアンやロビンの予知能力を見せるシーンは素晴らしいのですが、その前後の話がつまらない。 大筋で言えば、諜報部員にキッドナッピングされたってだけの話ですからね。 なんだよそれ、な話なんで、ピカッと光る名シーンが沢山あるのに、残念すぎるよね、で終わっちゃうんですよね。。。
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