すずき

ベオウルフ/呪われし勇者のすずきのレビュー・感想・評価

ベオウルフ/呪われし勇者(2007年製作の映画)
3.7
古代のデンマーク王国。
下品だが勇敢で気前のいいフロースガール王の宴の最中、その騒音にブチ切れた隣人もとい隣怪物グレンデルが怒鳴り混んでくる。
グレンデルに多くの兵が殺され、困り果てた王は怪物を殺せる勇者を募集。
かくして海を渡り王の元へと参じた豪傑ベオウルフは、グレンデルとフルチンで戦い勝利する。
その後、フルチンであった事から名付けられた名剣フルンティングを抱え、ベオウルフは怪物の元凶であるグレンデルの母親を退治しにただ1人、洞窟へと足を踏み入れるが……

ロバート・ゼメキス監督によるファンタジーアニメ作品。
同監督の前作「ポーラー・エクスプレス」と同様に、俳優の顔と動きをキャプチャーしたリアルな3DCGアニメ。
しかし前作と違い、ダークで暴力や欲望が描かれる。
Filmarksでは平均スコア低いけど、かなり良かった!

原作「ベーオウルフ」について。
西洋最古の竜殺し英雄譚を記した叙事詩であり、その世界観はトールキンの「指輪物語」にも影響を与えた。
という事は、「ドラゴンクエスト」から「なろう作品」まで、全てのファンタジー作品の源流とも言える伝説なんですねぇ。
グレンデルとその母親を退治する第一部、王となり年老いたベオウルフがドラゴンとの最後の戦いを描いた二部構成となっており、本作もその流れに準じる。
しかし、グレンデルの母親と対峙するあたりで、ストーリー展開に大きくツイストがかかり、原作通りではない新解釈が意外で面白かった。

しかしなんと言っても見所は、第一部のクライマックス、主人公のフルチンだろう。
このフルチン、ぼかしやモザイクは無いけどチンチンが映し出されるか隠れるか、凄くギリギリ。
ある時はおっさんの肘で隠され、ある時は酒杯で隠れ、そして謎の湯気で隠れる。
バトルの激しい動きの中、いつチンチンがフルに映し出されるか、手に汗握る緊張感が楽しい!
第二部でもフルチンになれば良かったのによ!ベオウルフよ、老いて若き日の輝きを忘れたか!
…なんか、フルチンばっかりでスイマセン。
フルチン!サーセン!(ニコニコ動画古語)