このレビューはネタバレを含みます
メンフィスの安宿を舞台に、ジュンとミツコ、ルイザとディディ、ジョニーとチャーリーとウィル、3組のオムニバスのお話。一瞬で身ぐるみ剥がされそう。
各カットの構図が素晴らしい。色味も相俟って見とれてしまう美しさ。カット割りと人物の位置が完璧に調和している。
演出なのでしょうが全員が棒読みで、寓話感が醸成されていました。ジュンとミツコのバカップルというかバカのカップルぶりが愛らしい。ジュンはわざとらしかったですがずっと見ていたい。受付が好きでたまりませんでした。しかめっ面だけで何でそんなに表情作れるのやら。
脚本は今一つに感じました。章ごとに時間の重なりが判明したりするのは面白いですが、表面的な遊びに終始しているように感じました。
メンフィスという街への愛情とともに、三者三様のメンフィスの夜が箱庭的に諧謔をもって映し出された名作でした。