茜

ローラーガールズ・ダイアリーの茜のレビュー・感想・評価

4.5
ストーリー的には、割とありがちな青春スポーツ物と言えるのかもしれない。
でもこの映画の魅力ってそれだけじゃなくて、寧ろそれだけだったら万年文化部の私がここまでハマらなかった。
頑張れば上手くいくとか夢は叶うとか、そんなありきたりの綺麗事だけじゃなくて、
若い主人公の夢・恋愛・友情の苦い部分や、人生全てが思い通りに上手く行く訳じゃないという点が、
物語の随所や結末できちんと再現されている所が凄くいいなと思う。

主人公である17歳の少女ブリスの、純粋だけど若々しい故の未熟な部分もちゃんと包み隠さず表れてるし、
彼女のローラーゲームチームに所属しているヤンチャなお姉さん達も、何かしら背負っているものがあったり、ちょっと抜けている所もあったりして、
良い所も悪い所もあるっていう当たり前の人間らしさが登場人物皆に当てはまっているし、ちゃんと再現されているのが凄い。

それでいてちゃんと王道の青春スポーツムービーらしさも抜かりない。
猫背で自身なさげな文学少女がローラーゲームを知って、そこから本当の自分に目覚めて行き、
家族とのぶつかり合いや、恋人とのほのぼのデートシーン、恋愛絡みで友情に歪みが入ったり、
勝敗はどうでもいいというスタンスだったチームに段々団結力が芽生えて勝利を目指す等々…。
ありがちな話かもしれないけれど、その舞台がローラーゲームっていう点がニクいなぁと思う。
役者達自身がまさに体当たりで挑むローラーゲーム、初めて知ったスポーツだけどヤンチャ過ぎて面白かった。

ストーリーは勿論、出てくる女性達も皆それぞれ可愛らしかったり美しかったりで目にも優しい。
主人公は幼い顔と華奢な体つきで、ボーイッシュな洋服を着こなしてる所がめちゃくちゃ可愛いし、
チームのお姉さん達もワイルド系美人勢揃い、ローラーゲームの衣装もチーム毎にそれぞれ可愛い。
監督も務めるドリュー・バリモアのちょっぴりだらしないところも愛らしくて良かったし、
デスプルーフで鉄パイプ握ってたゾーイ・ベルは本作でも華麗な走りを披露してくれる。
個人的には暴力マギーことクリステン・ウィグがめちゃくちゃかっこよくて好きだった。
ストーリーよし、映像よし、目の保養よし、最高。
茜