こうん

ミッション:インポッシブル3のこうんのレビュー・感想・評価

4.5
ただでさえ酷暑で頭がおかしくなっているうえに刻々と公開日が近づいているのでわたしのミッションはインポッシブルして爆発しそう。
新作「デッドレコニング PART ONE」に備えてM:Iマラソンしたので、ざっくり今のところのベスト3を開陳してクールダウンしようと思います。
ざっくり、といっても長くなってしまいそうですが。
 
第2位…というか同率1位は、じゃじゃん!
J・J・エイブラムスの映画監督デビュー作でもある第3作「M:I:Ⅲ」!
 
なんといってもシリーズ最高の悪役フィリップ・シーモア・ホフマンですよ!
ほかに理由ある?いや色々あるけども。(黒幕はビリー・クラダップですが超小物)
謎の武器商人ディヴァインに扮するホフマンの悪役に似つかわしくないぽっちゃりボディ以外は、悪役に必要な要素が全部揃っているというか。彼が最初にイーサンの名を口にする瞬間のゾワゾワ感はたまりません。それだけを手掛かりにイーサンの婚約者を突き止め誘拐しちゃう(しかもものすごいスピードで手下を動かす組織力)んだから、怒らせたらめっちゃ怖いですよ。
ステゴロなら勝てそうな相手だけに、ホフマンの極悪演技も相俟ってすごい恐ろしい。
あと一番好きなのは、ヴァチカンでイーサンがホフマンに変装している時の、ホフマンの“中の人がトム・クルーズ演技”が超好き。
私にとってはあそこはラーメンチャーハンセット大盛りです。
あのあっけない死に方も込みで、いまだにシリーズ最高の悪役です。
フィリップ・シーモア・ホフマン…なんでいないの。
 
冒頭のインスタントカメラの指令や、教え子救出作戦や、超地味だけど超怖い脳内カプセル爆弾や、ミシェル・モナハンやマギーQ(なんで続編に出てこんのや)や、ラビットフッド(文字通りのマクガフィン!)や、橋の上のアクションや、モナハンを誘拐されたイーサンがゴリゴリに追われる展開や、読唇術や、モナハンのためにクレイジーになっていくイーサンや、上海郊外でのトム走り(いえーーーい!)や、ローレンス・フィッシュバーンのすきっ歯スマイル(不敵)など、見せ場から細かいところまで、好きなところだらけです。
そうそう本作でサイモン・ペッグのベンジーが初登場ですしね。
 
JJがオリジナルの「スパイ大作戦」に寄せつつ、シリーズ過去2作の美味しいところを変奏して見せつつ、スパイチームものと巻き込まれサスペンスをバランスよく融合して、如才ないところを発揮した1作でもあります。
コントラスト強めの画作りもドラッギーな感じがして好きです。
トムにケータイ片手に延々と上海を走らせるシークエンスは、トム走りシーンとして(わたし的に)名シーンだしここのキャメラワークがもう生理的にグッときます。
キャメラが対象物と並走しながらグイーンと離れる(か近づく)移動撮影が超好き。そのさなかで背景の風景がフワッと広がったりすると、もう卒倒しますね。同好の士います?
 
なにより本作で好きなのは、諜報員なのに愛する人のために我を失ったように狼狽しまくる突っ走るイーサン・ハントがシリーズ最も感情的で、そこがいいです。
あと婚約者の職場にも顔がきく人間力怖いよね。自分は嘘ついてるくせにw

たぶん「3」が好きっていう人は少数派だと思うんですけど、次作の「ゴースト・プロトコル」からトムのクレイジーなスタントを含めエクストリーム化(ワイスピ化?)する前の、こじんまりとした感じが好きなんです。大作ではあるけど、まだ手作りの感じがするというかね。監督の個性がまだ垣間見えたんですよ。

最近までずっとこの「3」がいっちゃん好きだったんですけど、今回マラソンしているうちに変わってしまいましたね。
好きな人がもうひとりできてしまいました!という同率1位でした!
こうん

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