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ハンニバル・ライジングのYYamadaのレビュー・感想・評価

ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)
2.9
【その男、ハンニバル・レクター】④

〈見処〉
①「ハンニバル・ゼロ」
・2006年に出版されたトマス・ハリスの長編小説を原作とするシリーズ第4作。監督は『真珠の耳飾りの少女』など文芸ドラマに定評があるピーター・ウェーバー。
・シリーズのなかでは、時系列が最も早い、ハンニバルの幼年・青年期を描く。

1944-52年『ハンニバル・ライジング』
1980-83年『レッド・ドラゴン』
1991年 『羊たちの沈黙』
2001年 『ハンニバル』

・リトアニアの名門貴族であったハンニバルが、第二次大戦下でソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれ、家族を失った際の強烈なトラウマが彼の人格形成に繋がる物語。

②カニバリズム
・カニバリズムとは人肉嗜食の習慣を差す。作中では、ドイツ~リトアニア古来ね習風のような描写もあるが、Wikipediaを見ると、日本を含めた戦時下では、世界各所で同様の行為があったそうだ。
・ハンニバル少年の強烈なトラウマは、後の『羊たちの沈黙』のクラリスとの共感に繋がっていく。

③仰天世界観
・青年ハンニバルを保護する伯母のムラサキ未亡人のルーツである日本文化の描写はハリウッド映画のトンデモ・ジャパンそのもの。
・その原因は、『レッドドラゴン』『羊たちの沈黙』では単なるサイコパス作品ではなかった原作が、シリーズヒットにより、大衆迎合した成れの果てだと思う。
・本作のハンニバルは食人鬼としての一面ばかり、インテリジェンス形成が描かれていないのが残念極まりない。
・この後にドラマシリーズが作られるが、自分は少々食傷気味にさせられた作品であった。投げ遣りレビューでスミマセン。
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