むぅ

バニー・レークは行方不明のむぅのレビュー・感想・評価

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
4.0
「花王のバブ....?」

思い込みは危険、確認は大事。
私からするとYOUは何しに...と言いたくなる友人の"ドイツ出張"土産。何やらラムネみたいなかわいい筒状の物を頂いた。
「それサプリ、ビタミンの」
「おぉっ!ビタミン大事」
帰宅後、海外のサプリって大きいんだよなと思いながら一粒口に放り込んだ。
!!蟹になっちゃう!!
シュワシュワと口の中で泡を吹き出すタブレットに入浴剤のCMを思い浮かべながら、ドイツ語読めませんと見もしなかったパッケージを慌てて手に取った。
私が想像した入浴剤のCMとほぼ違わない、タブレットが水に溶ける様子が描かれていた。
そしてドイツ語が読めなくても読める200mlの文字を見つけた。

思い込みは危険、確認は大事。


ロンドンに越してきたアン。
保育園初日、娘のバニーを迎えに行くと姿がどこにも見当たらない。
「見てない」
関係者が口を揃える中、行方不明のバニーを探す。


思い込みは危険。
クセの強すぎる関係者達の証言に、思いっきり疑いの眼差しを向けてしまう。登場人物が増えるたび、犯人か?となる。
確認は大事。
アンが保育園の先生にバニーを直接引き渡さなかったり、家の鍵をかけずに出かけたりするので、こら!となる。

私の口の中同様シュワシュワと吹き出す泡のように、数々の疑惑と不穏な空気が溢れ出す。
まさか溶かすと思わない!と驚愕した200mlの文字を見つけた時の衝撃を遥かに上回る衝撃で物語が一変する。
今更口から出すわけにも、かといって水を飲んだらどうなる事やらと小さくなるタブレットを待つしかないように、ただ結末がどうなるのか画面を見つめるしかなくなる。
ただ「バブ!」と思い浮かべた私のオチとは全く違う映画のラストが恐ろしい。


「2人にも水に溶かすって言わずに渡してみよっかな」
いつもの4人。一足先にお土産を貰った私の蟹事件を伝えると、ドイツ帰りがそう言った。
私の読みは1人は確実に確認するが、もう1人は私と同じ思い込みをしそうな気がする。

そしてサプリも今作もネタバレ厳禁な事は確か。
サプリの方は結末がパッケージに書いてあるのでネタバレも何もないのだが。

シュワシュワが妙に癖になり、その後も何粒かはそのまま口に入れた。
どうなるかわかっていても、今作もまたいつか観ると思う。
むぅ

むぅ