平野レミゼラブル

柳生一族の陰謀の平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)
5.0
【パワーと面白さに溢れまくった史実クソ喰らえ時代劇!!】
重厚かつ仰々しい芝居と腹の探り合い!!
そして一流の剣客同士の決闘もあれば戦国時代さながらの集団合戦も有り!!
そして抜群の殺陣にあまりに破茶滅茶すぎる終盤の展開!!!
時代劇の面白さが全部詰まった大傑作!!!!
色々と史実を無視してこの時期に死んじゃいけない人がじゃんじゃん死んでいくけど「歴史書に書かれている記録だけが真実ではない」ってナレーションで語られちゃあ、そこを指摘するってのは野暮ってもんです。
史実無視上等!!いいんだよ面白けりゃァ!!の体現。

まあ本作を語る上で一番欠かせないのは「星5セイバー」であり「史上最強の麻呂」である烏丸少将文麿なんですけれども。
ポプテピピックで出た麻呂を「画像も貼らずにスレ立てとな!?」の一条三位(水戸黄門に登場)と勘違いしてる人が居ますが、アレは正しくはこの烏丸さんです。これ豆な。

この烏丸少将、麻呂なのに作中最強格でして柳生十兵衛の弟である左門を斬り伏せ、十兵衛ですら策を弄さねば勝てないと踏んだ怪物です。
物陰に潜んだ十兵衛を察知する「直感A」スキルも完備。
おまけに政治にも優れており、彼が死んだ瞬間に朝廷サイドは力を失い瓦解したレベルの存在。
信長の野望にいたら全ステ90以上は硬い実力。

というか作中のセリフ挙げても武人なんですよこの人!

「柳生の子息よ、烏丸少将文麿、お相手して進ぜよう」
「ほほう…女子か。去れ。麻呂は女子を斬る剣は持たん」
「出ておじゃれ、遠慮はいらぬ。臆したか柳生新陰流。姿は隠しても獣は臭いでわかりまするぞ」

なんで麻呂やってんだよお前!!

ちなみに映画版の烏丸少将、これだけやりたい放題なのに全メディアの烏丸少将の中で最弱の部類らしいんですよね…
TVドラマ版では十兵衛の片目を弓矢で奪い、佐野史郎版では夢想転生を使うとか。
いや、本作でも十兵衛の策に掛かった上で互角レベルに斬り合ってたバケモンなんですがこの人……
機会があったら別のメディアのやつも見てみたいと思います。

烏丸少将だけでお腹いっぱいなレベルなんですが、本筋の萬屋錦之助演じる狡猾な柳但とサニー千葉演じる自由な十兵衛の対比が、その衝撃的なラストに繋がってきます。
千葉が本作と全く同じ十兵衛で演じた『魔界転生』での親子対決とも違う魅力を放つ。
いやあパワー溢れまくってる時代劇は見てて面白いし気分が良くなるなァ!!!

傑作!!!