いの

大列車強盗のいののレビュー・感想・評価

大列車強盗(1903年製作の映画)
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下記の本を読み始めました📗
川本徹『フロンティアをこえて ー ニュー・ウェスタン映画論』、森話社、2023年

まだ読み始めたばかりです。そのなかで史上初の西部劇(が何かは研究者の見解がわかれているそうですが、その有力候補)は『大列車強盗』(1903年)とありました。その作品はおどろくべき成功をおさめ、多くの模倣作を生んだそうです。わたしは今 やる気に満ちあふれているので笑、“よし、観られるならば観てみよう”と相成りました。で、見つけたのが以下のものです


『活弁で語る活動大写真 大列車強盗』
このなかに収録されているのは5作品。収録順に記します。

①ジャックと豆の木(1902年制作)
②ジョシュおじさん(1902年制作)
③大列車強盗(1903年制作)
④いかさまナポレオン皇帝(1904年制作)
⑤小さな列車強盗(1905年制作)


そのなかで特に面白いと思ったのが③④⑤

③「大列車強盗」は、最初こそ学芸会的な感じだったけど本物の列車(多分)が登場してから素晴らしい映像となっていきます。ここにカメラを置いてこういうアングルで撮るのか!と、なんもわかっていないわたしが言うのもおこがましいのですが、感心することしきり。そしたら弁士さんも説明してくれました。水平の移動だけでなく、垂直にカメラを動かして、映画の可能性を大きく広げたというようなことを。映画というものに、アクションというのか動きというのかわかりませんが、躍動が生命力を与えるんだと実感した次第。

④はリドリー・スコットのナポレオンを観て日が浅いこともあり尚のこと面白かったです。笑っちゃいました。

⑤「小さな列車強盗」・・・③の監督自身が、子どもたちをキャストにして③のリメイクをしたのがこの作品。準備には1年費やしたそうです。それも弁士さんが仰ってました。


5作品で計44分。ちょうどよい。制作陣が工夫を重ね、映画の可能性をどんどん広げていったことが感じられ、映画創世記か黎明期かわからないけれど、右肩上がりの明るさもあり、観ているこちらまでうれしくなっちゃうような作品群だと思います。
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