Jaya

青い山/本当らしくない本当の話のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

高度に形式主義的官僚化した出版社で、作家ソソが放ったらかしにされる風刺コメディ。四季の移ろいを示す窓からのカットが美しいです。

アネクドート的社会風刺満載ですが、憤懣をぶち撒けるエネルギーに満ちているわけでもなく、旧ソ連的な緩いテンポで紡がれるストーリー。残念ながら笑いどころがさほど面白くない。ベラの夫の殺意満々の目つきが一番面白かったです。

鉱山技師だとかの伏線などが回収される構成も楽しかったんですが、モトボールでバイクが室内に来るのにもしっかり理由があって、大人しい印象のネタが多いのが残念でした。バイクは最後だけ廊下を爆走してましたが。

一人客観的ともいえるソソ。どんどんテンションが落ちていく様子も面白かったですが、諦念に向かう様子は人民のそれなんでしょうか。

皮肉は色々と効いていましたが、それだけで終わってしまったような印象の作品でした。「青い山−天山」はどんな内容だったのかなぁ。
Jaya

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