茜

赤ずきんの茜のレビュー・感想・評価

赤ずきん(2011年製作の映画)
2.0
グリム童話が元になっているという時点で明るいお話ではないだろうけど、
流石にこんな天気の良い真昼間から観るには暗い映画だったかもしれない(笑)

この映画は狼の恐ろしさよりも、人間の恐ろしさがとにかく目に付く。
冒頭からアマンダ扮する主人公のヴァレリーが、幼い頃に遊びでウサギを殺してしまうという場面に少しヒヤッとした。
(観終わった後で思えば、この幼いヴァレリーのシーンも自らの「血」を暗示させるものだったのかも…)
そして人狼に異常な執着を持つあまりに、罪のない村人を次々と追い込み無常に殺してしまうソロモン神父も怖いし、
拷問具にかけられて傷めつけられた知的障害(?)の男の子や、魔女と疑われ捉えられたヴァレリーに裏切りの言葉を投げる友人…。
何が正しくて、誰を信じたらいいのか、狼を疑う前に人間そのものを疑ってしまう。
この映画が訴えたい事って、実は恋愛物語でも何でもなく、人間自体に潜む怖さなのではないかと思えた。

ヴァレリーが美しいのは勿論のことだけど、恋人のピーターや許嫁のヘンリーなど恋愛関係は全て美男美女で構成されていて、
まるでベタな少女漫画を観てるような気分だったので逆にチープに思えてしまったなぁ…。
あとエンディングテーマが世界観と微妙にミスマッチだったのも気になりました。
茜