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ナイト&デイのkomoのレビュー・感想・評価

ナイト&デイ(2010年製作の映画)
4.2
平凡な女性ジューン(キャメロン・ディアス)は大切な妹の結婚式を控え、下準備のため飛行機で移動していた。その時空港で理想の男性ロイ(トム・クルーズ)と出会い、機内でも時間を共にする。
すかさず彼に想いを告げようとするジューンだったが、ロイは突如として乗客たちに襲撃される。彼はそれを返り討ちにした挙句、なんとパイロットまで殺害してしまった。暴走した飛行機を操作し不時着させたロイは、心神喪失状態のジューンにある忠告をしてから彼女を帰す。
しかし翌日、ジューンは謎の組織に拉致されてしまう。その者たちの目当ては、ロイが所持しているひとつの道具だった。


企画が出てから主演が決まるまでに紆余曲折があったようなのですが、完成したものを観てみると主演はこの2人以外に考えられないと思いました。トムとキャメロンの銀幕における華々しいイメージが、シナリオを更に充足させていると感じられる作品でした。

ジューンのピンチに颯爽と駆けつけてくれる頼もしいロイ。しかしジューンが組織から狙われるようになったこと自体が、そもそもロイのせいなのです。笑
それでも騎士的な立ち位置を決して崩さないトム様の突き抜け感が面白い!
強すぎる男性に振り回される平凡な女性を演じ切ったキャメロンがとにかく可愛いです。キャメロンのパニック演技がとても好き。恐慌状態で弾丸が行き交うところへ飛び出して行ったのに一発も当たらないあのシーンが最高でした。
途中から2人と行動を共にする若き科学者・サイモン(ポール・ダノ)の、物語のキーパーソンでありながら、2人から絶妙にアウェイしてくれる感じもかなりツボです(^^)

ロイもジューンも、作中で昏睡状態に陥ります。この描写は過去に2人が共演した作品『バニラ・スカイ』のテーマになぞらえているそう。
この"意識を失った状態からの覚醒"は、アクション的にもロマンス的にもコメディ的にも効果的な演出になっていました。
まさか南の島でのあの会話がエンディングへの布石になるなんて。
アクション&ロマンス&コメディの三本柱を最後まで崩すことなく、あらゆるロケーションの中を駆け抜けてゆく構成がとても爽快でした!

他のトム・クルーズ作品に比べると興行成績があまり良くなかったようですが、決して見所が少ないわけではなかったと思います。しかしM:Iよりライトな気持ちで観られるので、トム・クルーズのアクションにあまり触れていない方にも是非おすすめしたいなと思える作品です。
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