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生き残るための3つの取引のNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2023/06/03鑑賞。71点。
粗は多いが、それでも引き込まれる展開。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
韓国警察庁の刑事・チョルギ(演. ファン・ジョンミン)は、検挙率No.1という功績を持ちながらも警察大学を出ていないことから出世できずにいた。

警察庁は、国内で起きる未成年連続強姦殺人事件を解決できず、さらには最有力容疑者を射殺してしまったことから真犯人がその人物かも分からない窮地に立たされていた。
大統領からの圧力を受けた警察庁上層部は、チョルギにある取引を持ちかける。

『連続強姦殺人事件の容疑者をでっち上げて逮捕しろ。成功すれば必ず出世させる』

妹の夫がヤクザから金を借りていることの揉み消し、そして自身の出世を条件に、チョルギはでっち上げ工作に加担することを決意する。

チョルギはデホ刑事(演. マ・ドンソク)ら5人の部下たちと一緒に犯人候補を選ぶため、1件目の殺人が起きる前に釈放され、かつアリバイのない人物を調べる。そしてチョルギは、知的障害者のある性犯罪者・ドンソクに濡れ衣を着せることに決める。

チョルギは、汚れ仕事を任せている不動産会社社長でヤクザのソックに協力を依頼。
ソックは部下を使ってドンソクを拷問し、彼の妻と娘の面倒を見て、借金も全て返してやると申し出て、でっち上げた殺人の罪を認めさせる。

チョルギらに逮捕されたドンソクは、ソックに与えられた悪知恵を働かせて精神鑑定に持ち込み、無罪を勝ち取ろうとする。しかし、国選弁護人は、ドンソクの容疑で精神鑑定に持ち込むことは不可能だと告げ、発狂したドンソクが「ソックを呼べ」と言い出す。

ドンソクの案件を担当する野心家のヤン検事は、ドンソクがソックの名前を知っていたことから、彼がハメられて連続強姦殺人犯にでっち上げられたのでは?と疑念を抱く。
ソックと対立する不動産会社のヤンス会長はヤン検事と蜜月関係にあったが、数日前にゴルフ場にてヤンの目の前で殺害されていた。ヤンはこの事件の黒幕がソックだと思っていたが証拠もなく自身の汚職がバレるわけにもいかないため追求できずにいた。
でっち上げを立証できればソックを失脚させることができると考えたヤンは、ヤンス会長を数回に渡って強制捜査していたチョルギがソックと運命共同体にあると見て水面下で捜査を開始する。
かなり前からチョルギとソックが電話やメールで連絡を取り続けている証拠が見つかり、ヤンの直感は当たる。

ドンソクの逮捕により全てうまくいくはずだったが、彼が逮捕後にハメられたと訴えていることを知ったチョルギとソックは焦り始める。
ソックは拘置所の看守を買収した後に殺し屋を放ち、独房のドンソクを自殺に見せかけて殺害する。
拘置所に足を運んだヤンは、殺し屋の存在に気付く。先日ヤンス会長を殺した男だった。だが、自身の汚職が露呈することを恐れ、殺し屋を見逃す。

ドンソクの死により、彼を逮捕した警察は称賛される一方で検察は管理体制を問題視されて世論の声は厳しい。
ヤンは、検事部長にチョルギによるでっち上げを訴えるが、警察との関係を壊したくない検事部長はヤンの意見を突っぱねる。
顔に泥を塗られ続けるヤンは、記者のキムに連絡をとり、チョルギによるでっち上げの記事を書くように依頼して賄賂を贈る。
しかし、チョルギはヤンが自分をマークしていることに気づいており、死ぬ直前のヤンス会長とゴルフ場で密会している写真を手渡すことでヤンを脅す。

この行動がヤンの怒りを爆発させ、ヤンはでっち上げの犯罪でチョルギの家族や部下を逮捕する。
チョルギはヤンに精一杯の謝罪をしてやっとのことで許してもらえるが、彼との完全な和解を成立させるためにはヤンの脅威となるソックの排除が不可欠。
ソックは、チョルギが自分を裏切ることがないように、彼と行なってきた数々の汚れた仕事の証拠を保管していた。チョルギにとってはその証拠を処分する必要もあった。

チョルギはソックの殺害を計画し、ソックの腹心・スイルも手を貸す。建設中のマンションのエレベーターにソックが乗ったタイミングで、装置を破壊してエレベーターは地上に激突。
事故に見せかけて殺害することに成功するが、チョルギはスイルを裏切って彼のことも射殺する。
しかし、その現場をデホに見られてしまう。チョルギとデホは揉み合いになり、銃の暴発によってデホが死亡する。
チョルギは現場の証拠を偽装し、デホとスイルが殺し合ったように見せかける。
その一部始終を、ソックの運転手が盗撮していた。

連続強姦殺人事件の解決により、チョルギは警視正へと昇進する。
チョルギの部下たちは、先輩であるデホが死んだ直後からソックの運転手が姿を消していたことから、彼がデホの死に関与していると見て捜査を開始。

ソックの運転手を見つけ出した刑事たちは、彼の撮影した映像を見てチョルギがデホを殺したことを知る。
刑事たちは、ソックの運転手に「見逃してやる代わりに、チョルギを殺害しろ」と要求。

チョルギは1人で車の中にいたところをソックの運転手に撃たれて死亡、彼の死に行く姿を部下たちは冷たい目で見ていた。
チョルギ殺しは、彼に恨みを持つヤクザによる犯行として捜査が開始される。

ヤンはヤンス会長との蜜月関係が露呈して逮捕されるが、妻の父親の根回しにより処分を受けずに済む。

DNA鑑定により、連続強姦殺人犯の正体はドンソクであることが判明する。チョルギの目に狂いはなく、でっち上げたとはいえ本当に犯人はドンソクだったのだ。
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