カエル王ちゃん

最強のふたりのカエル王ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

OPの警官騙して二人で笑うあたりで、この二人悪ガキかと思ったw。でも元々は金持ち老人と無職の青年、障害者と健常者、白人と黒人など対照的なものが結びついて出来上がった仲のいい「悪ガキ」の二人だと最後までみて判った。二者の対立を超えて融和するところに障害者と健常者の関係を見直すだけでなく他の対立を乗り越えるヒントのようなものも示唆されているように感じた。今作中での融和は、ストレートな正直さを標榜するドリスと知的でユーモアを解するフィリップとで生まれた化学反応みたいなものか。凡そ人は障害者に対して恐る恐る接してきたように思う。身動きのできないフィリップのヒゲで遊ぶような人間は探してもいないだろうw。ストレートに正面からフィリップに向き合ったドリスだからこそ、畏まった誕生会を賑やかにし、また彼の本願を実現させることができたのだろう。この作品は、こんなことやったらマズイかもということを躊躇なくやってくれる。しかも楽しんで。このようなやり方を日本人はしてこなかった。障害者というとお涙頂戴チャリティとなり情けは誘えても笑いは誘ってこなかった。本当はドリスの接し方を望んでいた人もいたかもしれない。この作品、それのみならずタブーを軽々と越えていった。OPから無免許運転だしw。マリファナはフランスでは合法なのか?しかも車いすの改造はおkなのか?w。最後にはナチスネタで行くとこまでいってしまったw。ここまでやりきったら邦題に賛否はあるがやはり最強なんだろうw。二人の対称性が目立つけども、フィリップと妻子にまつわる悲話、ドリスの複雑な家庭の事情においては共通するところがあった。養子をとったフィリップに養子となったドリス。特にドリスは本採用が決まった夜、それを知った時に二人の共通点に気付いたんだろう。それでもドリスはそれを知ったあとも同情をするそぶりをするでもなく心から二人で楽しんでいる姿はよかった。誕生日会のダンスは、その最たるものだった。湿っぽさがないからこそ、最後のフィリップへのプレゼントも粋だった。この二人の関係や化学変化が広がっていけばいいと思う。