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女ともだちのNMのレビュー・感想・評価

女ともだち(1956年製作の映画)
3.8
「他人との関係の中で生きていくしかないの」

ローマでは忙しく働いてきたクレリア。支店開設のため訪れたトリノで面倒に巻き込まれるが、友人が欲しいという思いもあり色々と協力するように。しかしその友情と恋愛の行方は……?

ヒロインのクレリアは見た目もさることながら声が美しい。第一声でぐっと引き付け、この人が主役だと感じさせる。大人の気品と知性、きちんとした自分の意志を持っていることを感じる。工事の遅さに腹を立てる時も声の調子を殆ど変えず品格を崩さない。
ホテルに出入りする客や知人女性もみなゴージャスで立ち振る舞いも洗練されている。
真相を探りながらもモミナと突然美容クリームの話をするのが面白い。

女の友情、恋愛感情のもつれ、嫉妬。大人になるとそれらは更に複雑化し、理性で生きるヒロインも情熱に生きたレベッカも、結局恋は実らなかった。ネネとロレンツォが果たして今後上手くいくのかも疑問。
自殺者が出ると、少しでも責任のある人が責められるのはよくある話だが、それは言うべきではない。かくして、築いたかに思えた友情は当然脆くも崩れ去った。

メモ
C調……ご機嫌な様子。60年代に流行り出した言葉。良い調子→調子良い→ちょうしー→しーちょう。
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