Omizu

十戒のOmizuのレビュー・感想・評価

十戒(1956年製作の映画)
3.5
【第29回アカデミー賞 特殊効果賞受賞】
『地上最大のショウ』『大平原』のセシル・B・デミル監督の遺作で、『十誡』(1923)のセルフリメイク。ビスタビジョンで撮られた超大作!アカデミー賞では作品賞他全7部門にノミネート、特殊効果賞を受賞した。

モーゼ役は『ベン・ハー』チャールストン・ヘストン、敵対するラメセス役は『王様と私』ユル・ブリンナー、王妃ネフレタリ役は『イヴの総て』アン・バクスターとオールスターキャスト。

セシル・B・デミルは大味大作の巨匠というイメージがやっぱりある。腕はあるんだけど無難というか。本作も演出が何か特殊か、と言われると別に。

有名な「旧約聖書」の出エジプト記を映画化していて、モーゼを主人公とする。特に終盤のモーゼが海を割るシーンはこの後の映画やアニメなどほとんどのイメージソースになっている。

特殊効果は素晴らしい。火が飛び散るシーンや海を割るシーンと色鮮やかでインパクトがある。奇跡をどのようにみせるか工夫が凝らされている。シナイ山の赤だったり照明、撮影も一級品。60年前の映画とは思えないほど画面がキレイでビックリ。何度もリマスターされているのもあるけど。

出エジプト記というのを映像的に納得できる作品に仕上げたデミルはやっぱり腕があるんだと思う。他の人がやったらそれこそ美術や衣装だけ豪華な空っぽ映画になるところを踏ん張っている。

まあ中身については別にキリスト教徒でもないので思うところはないのだが、この時代のハリウッドの絢爛豪華な美術や衣装を眺めているだけでリッチな気分になれる。長いしもう一度観たいとは思わないけど名作ではあるのではないでしょうか。
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