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OK牧場の決斗のHKのレビュー・感想・評価

OK牧場の決斗(1957年製作の映画)
3.8
ジョン・スタージェス監督(『荒野の七人』『大脱走』)の典型的なハリウッド娯楽西部劇。
ジョン・フォード監督の『荒野の決闘』よりいくぶん史実に近いものの、やはりエンタメ作品として大幅に脚色されています。

原題は“Gunfight at the O.K. Corral ”(OKコラルの撃ち合い)
OKコラルは実際には牧場ではなく、馬を繋いでおく柵で囲った場所。
OKはまんまオッケー!の意味で、今ならOKパーキングといった感じでしょうか。
また、史実では決闘というよりは喧嘩とか白昼の発砲事件に近いイメージだったようです。

本作の保安官ワイアット・アープは髭の無いバート・ランカスター。
相棒のドク・ホリデイはやっぱり結核病みにして体格がいいカーク・ダグラス。こちらは髭あり。
当時の写真だとワイアットもドクも髭がありますが、片方だけなのは区別しやすいように?
本作からドクは外科医ではなく史実どおりに元歯科医のため手術シーンはありません。

オープニングは馬に乗った3人の刺客がドクを追って街に向かうシーン。
有名な主題歌に乗って現れるこの3人組の1人が若きリー・ヴァン・クリーフ。
クリーフはやはり名作『真昼の決闘』でもオープニング主題歌(どちらもディミトリ・ティオムキン作曲)をバックに刺客の3人組の一人として登場します。
後にセルジオ・レオーネは『ウエスタン』の冒頭3人組の刺客の1人にクリーフを使おうとして果たせず、本作でマクローリー兄弟の一人を演じたジャック・イーラムを抜擢しています。

本作に登場するアープ兄弟はワイアットの他にバージル、モーガン、ジェームズの3人。
『荒野の決闘』でもそうですが、なぜか史実では長兄のジェームズが最も若い10代の末弟として描かれ、最初に敵に殺されることで決闘に発展するという展開です。
ちなみにモーガン役はTV版『スタートレック』のDr.マッコイことデフォレスト・ケリー。

敵のクラントン一家に味方する殺し屋は『駅馬車』『拳銃王』の主人公のモデルのジョニー・リンゴ。
演ずるジョン・アイアランドは11年前の『荒野の決闘』では年少のビリー・クラントン役。
本作で同ビリー役を演じるのは当時21歳のデニス・ホッパーでけっこう目立ってます。

史実ではあっと言う間(28秒間)の至近距離での撃ち合いですが、本作では走り回るわ転がって撃つわ逃げた敵を追っかけるわで約10分に及ぶ銃撃戦が繰り広げられます。
そしてアープらは敵を全て仕留めてトゥームストーンの町に平和が訪れるのでした・・・
そして、後に本作とはかなり違ったテイストの作品群が現れることになります。
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