YYamada

完全なる報復のYYamadaのレビュー・感想・評価

完全なる報復(2009年製作の映画)
3.4
【法廷映画のススメ】
『完全なる報復』(2009年)
〈フィクション (現代 / フィラデルフィア)

◆法廷の争点
妻子殺しの主犯に対する司法取引の
正当性

〈見処〉
①わずか1分の裁判が司法制度の
 惨劇を生む!法廷サスペンススリラー
・『完全なる報復』(原題: 「Law Abiding Citizen」=「法を遵守する市民」)は、2009年製作のサスペンス・スリラー。
・舞台は、現代の米国フィラデルフィア。幸せな毎日をおくっていたクライド(ジェラルド・バトラー)は、ある日、自宅を2人組の強盗に襲われ、目の前で妻子を惨殺され、自身も重傷を負う。
・間もなく犯人たちは逮捕されるが、確実に有罪にできるほどの証拠はなく、野心家でもある担当検事ニック・ライス(ジェイミー・フォックス)は、自身の高い有罪率を維持のため、クライドの意向を無視し司法取引を行う。主犯に対し減刑がなされ、クライドはニックと司法制度に裏切られたと考え、自らの手で犯人と事件関係者に制裁をくだしていく…。
・本作は、妻子を無残に殺され、復讐に燃える間接殺人のエキスパートの男とベテラン検事の駆け引きを描くスリラー・サスペンス映画である。

②結び…本作の見処は?
「法廷映画」というよりも、スリラーサスペンスと割り切って鑑賞すれば、そこそこ楽しめる作品。
○: 『SAW』ばりの過激な惨殺を含む、ジェラルド・バトラー無双による復讐劇。鑑賞中は高い緊張感を生み、「復讐の次の一手」の予想がつきづらい。
▲: 「司法への復讐」はインテリジェンスで対抗して欲しかったが、結局は、物理的ダメージが中心。主人公に憐れみを感じながら、行動原理には共感出来ず、ハラハラするが、余韻は全く残らない。
YYamada

YYamada