茜

DOWNTOWN 81の茜のレビュー・感想・評価

DOWNTOWN 81(2000年製作の映画)
3.8
こういう思いがけない埋もれた良作に出会えるのでU-NEXTのラインナップは侮れない。

ドキュメンタリーのような構成に見えて、中身はリアルと創作が入り混じったような掴みどころのないストーリー。
ニューヨークの街を歩き、様々な人々と出会う主人公の日常をただ淡々と映しているようで、その何気ない風景が映画として成り立っている凄くお洒落で素敵な世界。
80年代のカルチャーを濃縮したような映像は、この年代に興味のある自分にとってとても贅沢な内容だし、街の景色も人々のファッションも流れる音楽も全部が心地よい。

この映画を観るまでバスキアについては何も知らなかったんだけど、彼以外にも多くのアングラアーティスト達が出演しているそうで、流れてくる音楽も漂う空気も何もかもがいちいちかっこいい。
何より驚いたのは日本人アーティストのPLASTICSがガッツリ出演していて、ニューウェーヴに興味を持った時にドハマりして聴いていたので、思いがけず彼らの姿を観れたのがめちゃくちゃ嬉しかった。

気怠い深夜とかに肩の力を抜いて観たくなるような、目も耳も楽しませてくれるアートの詰まったかっこいい映画。
今では味わえない80年代の雰囲気を存分に堪能出来ます。
茜