るるびっち

クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望のるるびっちのレビュー・感想・評価

3.6
コロナいじり第一弾。
映画とコロナをいじる遊び(マイブーム)。

デザイン湯浅政明、脚本原恵一という後のビッグ・スターによる佳作。
デザインのポップさと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的タイムパラドックスが相まって面白い。ただ戦国時代にトリップしてから、雲黒斎に辿り着くまでの展開がちょっとダレる気もする。

ラストは大人の陰謀を、無垢ではないが5歳児しんのすけの想像力でやっつける。つまり大人の歪んだ欲望を、未来ある子供の想像力で追い払う仕掛けだ。
未来はいつでも子供達のためにある。
しかし本作から25年経っているが、少子化は止まらない。
待機児童問題も未解決で、政府は若年層への支援や対策を後回しにしている。非正規雇用を増やしてワザと婚姻率を下げているみたいだ。未来に対して展望も計画もないのだろう。政治家は、せいぜい次の選挙しか未来に興味はないようだ。

コロナで子供たちが学校に行けず、教育の機会を奪われている。
そんな中、学校を9月にしようという思い付き案が浮上している。
それが本当に子供のためになるのか、余計な負担をかけるだけではないのか? それより追加給付や支援が急務ではないか。
子供の貧困に直結する世帯を見捨て、9月入学を論議するのは現実逃避だ。
第2次補正で政府がシングルマザーなどの貧困をキチンと救済するか、注目しなくてはいけない。

結局、9月入学騒ぎも利権絡みの裏事情を邪推してしまう。
臭う、臭う、うんこくさい。
そんな野望はトイレに流してしまえ。
子供に未来のバトンを渡す気持ちの大人が、この国にいるのだろうか?
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