あまのかぐや

永遠に美しく…のあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

永遠に美しく…(1992年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「マ~~~ッド!」(マデリーンのこと)
「ヘ~~~ル!」(ヘレンのこと)

このキャストで、この内容。結構やりたい放題したロバートゼメキス巨匠に拍手。メリル・ストリープとゴールディ・ホーンがお互いそう呼び合って作り笑いでハグする場面が何度か出てくるのですがそのたびに転げ回って笑ってしまう。

「地獄かよ!」「きちがいかよ!」

そして何度か出てくる豪快な階段落ちですが見るたびに「うあ、いてっ、ぎゃっ」とまた大笑い。ありえんて、この落ち方。

1992年のアメリカ映画ですが、ホラーぎりぎりといってもいいような黒い笑いのシュールさが好み。脇、というよりちょっと後ろに背景っぽく映っている登場人物の配置なんか、
もう細かくてくすくす笑ってしまう。
ホットファズとかショーンオブザデッドで笑える人にはおすすめできるかもしれません。
ただ男どおしの痛快なバディものではなく、これでもかとばかり女どおしの醜悪(絵づらもろとも)な争いを見せ付けられるので、その点ご承知おきください。

二大怪物、いや二大美女が命がけで奪い合う整形外科医アーネスト役を なんとブルース・ウィリスが演じております。
彼がまた「なんでよりによってこんな男」ってぐらい冴えないアル中男です。勿論、髪の毛は今よりあるし、そしてそんないけてないぶりが意外と似合ってんだわ。

でもこのアーネスト、整形外科医ってことで金持ちなんですね。アンチエイジングのためなら、美を買い戻せるなら金には糸目はつけないわ、と言い切るマデリーンですもの、夫の財産は夫以上に大事。
そして財産よりもなによりもマデリーンもヘレンもお互いへの長年積もり積もった確執から意地になってこの冴えない中年を取り合ってんじゃないと思います。それがまたいじましい。
最終的にはお金だけではなく彼の外科医としての技術も、
彼女たちにとって切実に必要になってくるのですが。

ゴールディは最初、普通の女性として登場して婚約者をライバルにとられてストレスで100キロを越す巨漢になって、それから赤いセクシーなドレス着こなす美女になって、それから・・・。あとは見てのお楽しみですが七変化なみにいろんな姿を見せます。
この当時メリル・ストリープが43歳でゴールディ・ホーンが47歳だとか・・・。
ええええええっ!!!
なんなのあの笑顔の可愛さ、セクシーさ!
メリルもゴールディもよくこの役受けたなーと思いますが、
女優さん自体のオーラとそこまであげあげなテンションがなかったら、この「女優の美貌」を弄り倒した究極のブラックコメディは面白くもなんともなくなってしまうのだろうな。

で、少し昔の映画を見ると「21世紀の今リメイクするならば」と・・・いつも必ず考えてしまうのですがアンジェリーナ・ジョリーとジェニファー・アニストンとか・・・。こわっ、洒落にならん、こわっ(笑)

ところでメリル・ストリープの作り笑顔は高畑淳子のそれと酷似している、と思いました。
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