140字プロレス鶴見辰吾ジラ

アフタースクールの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

アフタースクール(2008年製作の映画)
3.5
トリック
〜どんとこい!ドンデン返し〜

よくドンデン返しモノとして上げられる本作を鑑賞。ドンデン返しはそうなのだが、2016年公開の「マジカルガール」のときような”思えば遠くに来たものだ”と言いたくなるスタート時から予想のつかない旅路を共にした印象。

大泉洋が主演ゆえの安心感という名のノンシリアス感漂う序盤。前半はのらりくらりと種蒔き、大泉洋の抜けたキャラの演技のクオリティゆえの食い入るように見ることを許容しない優しい作り。それが裏目な部分もあり、話に集中しなければと急き立てられることなく、ふ〜んという感覚で映像、会話にゆとりを持って、ゆるみを持ってでしか向き合えない。ただカチッとストーリーが動いてから、ズブズブと引き込まれて行き、画面で繰り広げられるキャラクターの交差が大きく展開される。映像、会話の中に伏線は貼られているものの、クライマックスに向けて起動を開始するドンデン返し装置に対して不真面目に見ていたこともあり爆発力があるかというとそこまでないというのが正直な話。

リドリー・スコット監督の「悪の法則」のように装置起動は裏でとっくに動いているんだなというあの感覚が思い出された。

最終的に「大事になったな〜」と気の抜けた顔で鑑賞し終えられる分、ガチガチに緊張して見なければならない強迫観念は内在してないので”楽しめる”かつ”ドンデン返し”という注文に680円くらいの定食メニューで答えてくれた気がする。

「つまらないのは、お前のせいだ」と耳に痛い一撃を飄々かつノンシリアスな雰囲気で放てる大泉洋が相変わらず憧れる部類に好きだ。