このレビューはネタバレを含みます
飯岡の客分となった座頭市と笹川の用心棒平手が闘うことになる座頭市第一作。4K修復版で劇場で観れるとは!一作目からもう「このドメクラが!」。
チャンバラの要素は少なく、市と浪人平手の人間模様。ただ、少ないなかでも市のドス捌きのスピードがえげつない。何なんだこの人は。
当然ながら市の演技力が強烈。飄々とした市のキャラクターが既に完成しています。平手の演技も素晴らしい。二人の間に流れる何とも男臭い空気感には、構図の素晴らしさも相俟って涙が出そうに。釣りのシーンは特に素晴らしい。
おたねとのやりとり含め、他の人物との絡みは今一つ。いずれにしても類型的なだけに、演技の差なのかなあ。カット割りもおかしく感じるところがあったり。
時代劇に人々の群像劇の深みを持たせようという試行錯誤が感じられ、さすが第一作と思わせてくれる名作でした。