このレビューはネタバレを含みます
デンマークの田舎で小さな宗派対立から奇跡が起きて死人が甦るお話。実在する宗派対立をベースにしてるんだと思いますが、浅学なのでよく分からず。
特徴的なカメラワークと構図。会話でもカットを割らずに人をゆっくり追い、古典絵画的な配置。「奇跡」以降は、明白すぎる程に撮り方を変えていて、神学的な意味に合わせてるのでしょうが、映画として効果的かと言われると…。
バカにされるや変節する親父、アンネが嫁に来るとなるやインガーに興味を失う親父とアナス、古典的な人物描写の浅さを感じてしまう箇所が多かったです。牧師も何しに出てきたのやら。
さほど登場しないながらもヨハンネスの存在感が際立っていました。ヨハンネスが奇跡を起こしたかのような展開は、虚仮の一念なのか文字通りの神性なのか。
脚本的な縛りゆえの困難を感じてしまう内容でしたが、それでも奇跡に至る道程が痛烈に描き出されていた名作でした。