新潟の映画野郎らりほう

サマーストーリーの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

サマーストーリー(1988年製作の映画)
4.1
【fantasia】


言うまでもなく[恋愛]とは、徹頭徹尾自分達の事しか考えていない男女であり、それは極めて個人的で、独りよがりで、非社会的且つ非現実的意味合いを本来的に強く有している(同語反復めくが、それ故に恋愛はロマンティックでありドリーミーであるのだが)。

彼(彼女)となら どんな障害も乗り越えられる。恋は盲目。世界全てを敵に回しても-等々。数々の常套句も「社会性を忘離している証し」だろう。

そんな恋する二人が 一族/地域/社会/そして現実と向き合わねばならぬ巨大な社会制度[結婚]を前にした時、どうするのか。盲目の侭進むか。理想と現実との落とし所を探るか。それとも…。


ジョンゴールズワージー原作のタイトル「林檎の樹」とは『望んでも決して辿り着けぬ理想郷』を指す。


恋の煌めきとは、時に眼を背ける程に眩く そして痛い。




《DVD観賞》