こぼちゃん

ボーイズ’ン・ザ・フッドのこぼちゃんのレビュー・感想・評価

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)
4.2
監督・脚本 ジョン・シングルトン、全米第2位の都市LA、その中でも貧しいサウス・セントラル地区に住む、黒人の少年たちの物語。黒人に限らず、父と子の話でもある。

ロサンゼルスのサウス・セントラル地区は、撃たれた死体がゴミと一緒に横たわっているような街。貧乏な黒人が多く住む。トレ(キューバ・グッディング・Jr)は、母子家庭で暮らすが学校でしばしば問題を起こし、父(ラリー・フィッシュバーン)と暮らすことになる。近所には、アメフト好きのリッキーとその兄のダウボーイがいた。父親はトレに対して少し厳しく、時に優しい。

米国では、黒人の内、21人に1人が殺され、同じ黒人に撃たれる。

パパとの約束 "立派な人になれ"
①相手の目を見て話さないと、馬鹿にされる。
②何か欲しい時は、盗まず、パパに相談すること。
③敬意を表せない奴は、決して尊敬されない。

子供を作るのは簡単。でも、育てるのは大変。コンドームを使うのは、病気にかからない/うつさない、出来た子供への責任だ。ベトナム戦争に志願したが、黒人の場所は無いんだと諭す。また、アドバイスはするも、恋人や結婚は、本人の問題と任せる懐の広さを持つ。

アメフトに精を出す、リッキーは、奨学金をもらうために、学業にも真剣になる。また、スポーツで食べていけるとは限らないから、勉強もしなさいと大学側に言われ、経営やコンピューターなど、目指そうとするが。

リッキーの兄のダウボーイは、将来の目標を決められず、不良少年のまま、黒人同士の小競り合いの中、刑務所を出たり入ったりしている。

トレは、服屋の店員として働き、カソリック教徒の彼女ができる。毎日、愛し合いたいと思うが、大学に入学し、卒業するまではと言われ、また大学でいい人に出会うかもしれないから私を待つなと言われるが。

先進国での識字率は日本など99%だが、米国は以外にも、65-80%。貧困層や移民が多く、話せても、文字が読めたり正しい意味の分かる人が少なく、就職できても賃金が安い人が多い。そのやりきれなさが、犯罪を産む。

そんな中、父親がいい距離で諭したり、愛することは、とても大切なこと。男女関係なく、そういう役割の人や、時には牧師さんやスポーツのコーチでも、人生を正してくれたり導いてくれるもの。
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