らくだ

トータル・リコールのらくだのレビュー・感想・評価

トータル・リコール(1990年製作の映画)
4.0
火星移住が実現された近未来で、夢に何度も現れる火星に憧れた主人公が、「思い出を脳に移植するサービス」で実際には行くことが叶わない火星旅行を体験しようとするが、その脳手術をきっかけにして「記憶処理で重大な情報を隠した元スパイ」であることが発覚して、よからぬ悪漢どもと激闘を繰り広げる、という映画です。説明が雑です。


若き日のアーノルドシュワルツェネッガーなので、もう見た目からして最強なんですよね…一般人にまぎれる体格とビジュアルじゃなさすぎる。そして元スパイなので記憶を消されていながらも戦闘能力が高い…最高…


近未来SFの地球→サイバーパンク世界観の火星、という世界観なんですが、このガジェットやミュータントの特殊メイク、セットが本当にすごいんです。当然、時代もあってちょっと古いといえば古いんですが、特に火星の方はうす汚れた世界観とそれが絶妙にマッチしていて、古さよりも「実在感」を強く感じます。このサイバーパンク特有の「未来なのに生きるのがしんどい」感と、上映当時からの視点からの「なんかこんな感じになりそうだな…」感。良いですよね…心が洗われる…空気のない外に投げ出されたときに目玉や舌が飛び出していくやつ怖すぎる


もちろん王道ど真ん中のアクション映画としてストーリーで描写されたとおりに観るのも楽しいはずなのですが、途中でちょいちょいと「今ここで感じているのが現実のものなのか、改竄された夢の世界なのか」揺らがせてくるところがあり、アクションシーンのハラハラ感とはまた別の、何が何だか信じられなくなる感覚が楽しいですね。



わたくしごとですが、この映画、旅先の旅館で観ました。どう考えても旅行中に観る映画じゃなさすぎる(面白かったです)
らくだ

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