Jaya

お茶漬の味のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

お見合い結婚だったという佐竹夫妻の夫婦のあり方のお話。パチンコ競輪野球と当時の風俗がリアルに感じられて楽しかったです。パチンコの真髄が、今聞くのと大して変わらないという。

佐竹夫妻の配役の素晴らしさ。二人とも細かい表情の動きが痺れるほどに決まっていました。終盤、飛行機の故障で茂吉が帰ってきたときの妙子の顔たるや。

結婚について悩む節子という取り合わせがまた素晴らしく、節子のハマり方も凄い。ブルジョアな有閑マダムたちのいけ好かない雰囲気を上手く中和していたよう。妙子の鼻持ちならなさがなお凄い。

お茶漬けに象徴される夫婦関係ですが、そのフリのシーンが猫まんまでラストがお茶漬けというのはどうなんだ。また、お茶漬けを作る辺りから最後までが間延びしていたようにも感じました。

妙子が茂吉に惚れ直してのろけるだけのお話ですが、少しくだけた雰囲気で肩の力を抜いたままで観ることができ、テンポの素晴らしさと登場人物の配置の妙で美しく仕上げられた傑作でした。
Jaya

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