mQ

ダンサー・イン・ザ・ダークのmQのレビュー・感想・評価

4.6
理不尽すぎる。
初めて見た時はなんと小学生の頃。彼女の顛末を夢に見、魘されたのを覚えている。

おかしいのは誰だろう?本当に裁かれるべきなのは誰?
しかし誰も本当の答えを知ろうとしない。
だって盲目の人が1人生き残ったところで、"警察官の命には替えられないから"。
なんと愚かしい。
事実よりも「こうであったに違いない」に振り回される。

セルマの歌だけが純粋だった。
見えなくなる世界を色濃く歌い、聴こえた音をミュージカルにする。
彼女はただ息子と友人と、そして音楽を愛していただけ。

弱い立場の人間、強い立場の人間の二極図は決して仕事や裁判所の中だけの事ではない。隣人間にすら在る。お金がなくとも、せめて彼女が視えたなら……。悔しくて悔しくて、しかし1番の理解者ですら止められない。

お金、そして銃社会は本当に恐ろしい。

(4/4 再鑑賞のため加筆)
mQ

mQ