このレビューはネタバレを含みます
身寄りのない大学生の花は、大学の講義を受けている時に教科書などを開かずひたすらノートを取っている不思議な彼と出会う。
勉強を通して、どんどんと彼との距離を縮めていく花。
そんな中、彼から告白されたのは「彼自身がおおかみ男である」ということ。
その事実を花は受け入れ、彼との家庭を築き上げていく中で突然彼が亡くなってしまう。
ふたりの子供を授かり、おおかみと人間のあいだで揺れる姉・雪と弟・雨を抱えながらふたりを育てていく決意をする。
広大な自然と人間とおおかみ、複雑な環境の中で育っていくひとつの家族を描いたファンタジー家族ドラマ。
おおかみこどもの雨と雪は公開当時まったくチェックしていなくて…金曜ロードショーとかでチラッと見ていた気はするのですが、改めての鑑賞になりました。
最初に見た時はラストの解釈がなかなか刺さらなかったのですが、今見てみると子育てに奮闘する花を見ているだけで涙が出てきます。
人間はいろんな過程を踏んで成長していきますが、花は子どもを産んでから少女として描かれていた序盤から母になったのだな〜と強く感じる描写が多いです。
というか花ちゃんの精神が強すぎて……。
子育ての描写も心苦しいものが多いです。
でも1人で畑仕事と自給自足ってほんと難しいよなあ…このあたりの描写はわりと非現実的な気がしました。
でも色々な出来事を乗り越えて成長していく雨と雪、思想や目指すものがだんだん変わっていくところにも成長を感じられました。
結果、結末としてはそれぞれ違う人生を選択するのですが雨は先生を通して年齢的には幼いながらも精神的にはすごく大人になりましたよね。
雪は精神的にも比較的人間らしい年齢の進み方をしている感じがします。
とにかく花ちゃんすごすぎるな…と感じた映画でした。