たにたに

イントゥ・ザ・ワイルドのたにたにのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
3.8
【1秒1秒、その一瞬を切り取った体当たり映画】

んー結構苦手なタイプの作品でした。

おそらく、実在した人物の日記を便りに描かれた作品かと思います。
実際のところ想像でしかない部分もあるため、綺麗に魅せる詩的な表現がほとんどです。
一章、二章、三章、最終章と切り分けて描かれることで、彼の出会いや、心情に変化を見つけやすくなっています。



幼少期からの両親の険悪ムードに、生きづらさや面倒さを感じた主人公が、家出を通り越して旅に出るのですが、
ワイルド、という言葉がぴったりなほど、何もかも置いてヒッチハイクだけで移動していく姿はたくましく、カッコよく見えます。

ただ、両親も心配性なだけで、意見が合わないなかでも、息子と娘のことは思いやってるはずです。
連絡もなしに、3年以上も経って、遺体と面会する両親の気持ちは想像に絶します。
私は、いくら逃げ出したいからって、両親に心配をかける子供は馬鹿野郎だと思うので、主人公の生き方に憧れは持てません。

ですが、この作品から何か一つでも得られる教訓みたいなものはあるように感じます。


さらに、まさに体当たりというか、
ヌーディストの登場や、ヒッピーのどこか悲しげな目をする人達、主人公がヘラジカを解体するシーンなどはかなりリアルで、もしかしたら本当にやってるんじゃないかとさえ思います。
んー、本当だったら動物愛護団体に訴えられるよなぁ…。。
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